豊田市野見町の皮膚科、のみ皮膚科クリニック

のみ皮膚科クリニック

〒471-0812 愛知県豊田市野見町11-92

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平成31年11月 開院

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疾患の説明

【湿疹・皮膚炎】

湿疹と皮膚炎は同義(同じ意味)です。皮膚科の日常診療で頻繁に遭遇する疾患です。掻痒(かゆみ)、発赤(赤み)、落屑(カサカサ)、漿液性丘疹(ジクジク)が皮膚にみられます。薬剤、花粉、ハウスダスト、細菌(ばい菌)などの外からの原因が皮膚から侵入した際に、それを排除しようとして炎症反応が起こり、その結果として、湿疹反応が起こります。てあれ(手湿疹)、かぶれ(接触皮膚炎)も湿疹・皮膚炎の範疇になります。

原因は多種多様で、アトピー性皮膚炎のような内的因子なども複雑にからみあい、いろいろな形で皮膚に現れます。ですので、原因が明らかにならないことも多くあります。中でも掻破行動(ひっかくこと)は皮膚にとって一番の外的要因と考えられます。薬を塗ってもよくならないと言われる方の中にはひっかき傷が多いことも少なからずあります。掻くだけでなく、擦ることも皮膚にはよくないため、お風呂でゴシゴシ洗う人も湿疹・皮膚炎はよくならない傾向にあります。

治療の基本はステロイドの外用と、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン剤の内服です。よくならないと思っている方は上のようなことをしていないか思い出してみてください。掻きたくなる気持ちはとてもよくわかりますが、かゆいときは「塗る」ように心がけてみてください。

【アトピー性皮膚炎】

アトピー性皮膚炎は慢性炎症性皮膚疾患のひとつで、増悪と寛解を繰り返す、掻痒と特徴的分布を伴う湿疹病変を主体とする疾病です。アトピー性皮膚炎も皮膚で起きていることは湿疹・皮膚炎になります。「皮膚バリア機能低下」と「免疫学的異常」がその病態の主軸と推測されています。

日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎ガイドラインでは治療は①薬物療法、②生理学的異常に対する外用療法・スキンケア、③悪化因子の検索と除去が三本柱になっています。薬物療法はステロイド外用剤とタクロリムス外用剤の抗炎症作用のある外用剤を使用して速やかに、かつ確実に炎症を鎮静させることが重要であるとされています。スキンケアは一般に乾燥しやすい肌であるため、保湿をしっかり行い、汗をかいたら、なるべく早くシャワーを浴びることは大切です。悪化因子の検索は難しいことも多いですが、血行がよくなると痒みが誘発されやすいため、刺激物の摂取や飲酒、※長時間の入浴は避けた方がよいと言われています。(※入浴、シャワーで清潔にすることは非常に大切です)

当院では、紫外線照射装置による治療を併用できるためよりよい治療を提供できると考えます。最近では「免疫学的異常」に対して生物学的製剤であるデュピルマブ(デュピクセント)により治療も行われ、よりよい作用が期待できます。現在当院では治療できませんが、希望のかたは基幹病院へ紹介いたします。

【乾癬群】

乾癬は炎症性角化症の一つで、角化の異常亢進のため、分厚いカサカサ(鱗屑)をともなう赤みが特徴の皮膚疾患です。皮膚症状だけではなく、爪がガタガタしたり、関節に症状(関節痛、関節変形など)が出る方もいます。

原因は不明ですが、「遺伝的要因」「外的要因」「免疫学的要因」など複数の要素が考えられています。

治療はステロイド外用剤、ビタミンD3外用剤の外用療法が中心ですが、アプレミラスト(オテズラ)内服、シクロスポリン内服や紫外線療法が有効です。当院では紫外線治療装置による治療が可能です。

近年、「免疫学的要因」に対してさまざまな生物学的製剤が開発されており、作用が期待されますが、治療費もその分高くなります。当院では現在この治療できませんが希望のある方は基幹病院へ紹介いたします。

【掌蹠膿疱症】

手のひら、足の裏に膿疱ができ、慢性に経過する疾病です。喫煙、扁桃炎、う歯(虫歯)、歯科金属が関与している可能性が考えられていますが、はっきりした原因は不明です。長期喫煙者(1日20本以上、20年間以上)に多いと言われています。喫煙している人はまずは禁煙することが大事です。禁煙しないと診察しないという先生がいるくらいです。それくらい喫煙は悪化因子と言えます。

基本的には外用治療になりますが、紫外線治療も有効です。当院ではエキシマライトによる治療が併用できます。

【じんま疹】

じんま疹は痒みを伴う、円形、あるいは地図状の赤みをともなう皮疹(膨疹)が出ます。膨疹は通常数時間以内に消えてしまい、消えると痒みも治まってしまいます。

じんま疹は詳細な検査をしても約90%は原因を特定できません。原因を特定するよりは出なくなるようにすることが大事と言えます。

治療は抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬と言われる内服薬を飲むことです。それぞれのひとにあった薬があると考えられます。最初の薬でよくなる人もいれば、何種類か薬を変更して飲んでみて合う薬が見つかる人もいます。通常、じんま疹は1ヶ月程度で改善しますが、なかには薬を飲んでもよくならない人がいます。そのような場合は慢性じんま疹と診断しますが、良くなるまでに平均2~6年ほどかかると言われています。きちんと通院して治療を行うことが大切になります。

【帯状疱疹】

水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症です。水痘を発症した後、三叉神経節や精髄後根神経節などに潜伏(生涯、体の中から排除されない)します。年齢や免疫低下などにより再活性化され帯状疱疹を発症します。赤みを伴った水疱の集簇する皮疹や痛みがありその後同部位に皮疹が出現する経過から診断することが可能ですが、時に診断が難しいこともあります。

60才以上の中高年に多い疾病ですが、子供でも発症することがあります。早期の診断が重要で、いかに早く治療薬(抗ウイルス薬)を投与するかが大事です。特に高齢者で治療が遅れると、帯状疱疹後神経痛と言われる後遺症が残ることがあります。この病気は帯状疱疹後神経痛を発症させないことが非常に重要です。

【帯状疱疹後神経痛】

帯状疱疹の皮膚症状が改善した後も痛みが持続する場合を指します。発症後3ヶ月以上経過しても痛みが残る場合は、神経の不可逆的変性が起きていると考えられています。高齢者や皮膚症状が重症であった方に発症しやすいと言われています。

局所の違和感が持続するものから、眠れないほどの激しい発作性の痛み起こるものまでさまざまな症状の訴えがあります。このような状態になってしまうとなかなか治癒は望めません。

【尋常性疣贅】

いわゆる”イボ”のことです。ヒト乳頭腫ウイルスの感染による疾患です。子供の手足に好発しますが、大人でも発症します。単発のこともありますが多くの場合、複数できます。融合して局面を作ることもあります。

イボの治療は液体窒素治療を行うこと多いです。液体窒素の入った装置のノズルから液体窒素を噴射してイボに当てます。1~2週間おきに繰り返し治療を行います。イボの大きさや数により治療回数は異なりますが、中には治療に難渋する例もあります。ヨクイニンの内服はイボに対する免疫力を高めると言われています。改善が見られるまで少なくとも1ヶ月間は内服する必要があります。スピール膏を貼ることも改善が期待できます。液体窒素と併用することでより作用が期待されると考えられます。

【円形脱毛症】

円形脱毛症の原因は不明ですが、自己免疫疾患と考えられています。髪の毛は成長期、退行期、休止期に分けられますが、円形脱毛症の場合はその部分がすべて休止期になってしまうことにより起こります。お休みしているだけなので、必ずまた発毛してきますが、中には難治例もあります。

治療についてはガイドラインでは、ステロイド外用、ステロイド薬の脱毛部への注射、局所免疫療法(脱毛部に特殊な成分を塗り発毛を促す)などが期待できる治療方法として挙げられています(それでも改善が不十分な患者さまもみえるのが現状です)。保険適応外ですが紫外線治療での改善が期待できる患者さまがいます。当院では紫外線治療装置による治療が可能です。

【足白癬】

いわゆる“みずむし”のことです。体にできると”たむし”、頭にできると”しらくも”と言われることもあります。皮膚を擦り、顕微鏡でみずむし菌(主に白癬菌)がいるか確認します。すぐに診断できます。

かゆみがあっても、みずむしではないことや逆にかゆみがなくてもみずむしのことがあります。みずむしはスリッパの共有や、足拭きマットなどから移りやすいと言われていますが、菌が皮膚についてから感染が成立するまで、24時間程度かかるので、ジムや、温泉などでスリッパを共有したり、足拭きマットを使用したときは帰宅したらもう一度足を洗い直すようにしましょう。

治療は外用真菌剤を指の間、足の裏全体、足縁にしっかり外用しましょう。通常は3ヶ月程度外用して治療をします。

【爪白癬】

爪の中に侵入した「水虫(白癬)」により起こります。足水虫から続発性に起こる場合が多く、母趾の爪に多く見られます。足爪が圧倒的に多いですが手の爪に発症することもあります。自覚症状がないため放置されている場合が多いですが、足水虫が治らない、家族にうつす原因にもなります。

外用薬では根治しにくいですが、最近はより改善が期待できる外用薬もあります。おすすめする治療は内服薬ですが、肝機能が悪化する場合があるため、採血をしながら治療する必要があります。肝機能が悪化した場合、内服は中止します。中止すれば肝機能は元に戻ります。

【みずいぼ】

伝染性軟属腫ウイルスによる感染症です。2~10ミリのドーム状の粒が多発します。主に子供に発症しますが大人でもできることがあります。接触することによりうつります。子供はプールのビート板からうつることが多いともいわれています。

小学校に上がる頃くらいに免疫がしっかりして自然に消えていきますが、専用のピンセットでひとつひとつ摘むのが良いと言われています。数が増えすぎると摘むのも大変ですので少ないうちにすべて摘むようにした方がよいように思います。

【とびひ】

皮膚の細菌感染症で、その毒素により水疱やかさぶたができます。自家接種により拡がっていくため“とびひ(飛び火)”と呼ばれます。乳幼児に好発します。虫さされや、擦り傷を引っ掻かく、鼻をほじることなどにより、ばい菌が増えることにより引き起こされます。
夏に起こりやすく、保育園や幼稚園で集団に発生しやすいと言われています。

基本的には抗生物質を飲んで治療します。清潔にすることが大事なのでシャワーを浴びてきれいにする必要がありますが、バスタオルからうつるので、他の人とは共有しないようにしましょう。

【尋常性白斑】

メラノサイト(色をつくる細胞)が減少もしくは消退するために脱色素斑(白く抜けた部分)ができる疾病で、俗称は”白なまず”です。自己免疫のため起こると考えられていますがはっきりした原因は不明です。

ケブネル現象(健常皮膚に摩擦や日光などの刺激を加えると同じ病変が生じる現象)が起こるため、擦ったりするとその部分が白くなることがあるので注意が必要です。治療は基本的にステロイド外用ですが、治療の反応は決してよいとは言えません。
この疾患にもエキシマライトの紫外線治療が行えます。

【尋常性ざ瘡】

いわゆる”ニキビ”のことです。10~30才代までの青年期の男女の顔面、前虚部、背部などに好発します。

毛穴に一致して赤い皮疹ができる(赤ニキビ)、毛穴が開口して黒色を呈するもの(黒ニキビ)、皮膚に黄白色の結節としてみられるもの(白ニキビ)に分類されます。アクネ(ニキビ)菌、毛包虫、内分泌、ストレスなど多くの悪化因子がありますが、特に思春期に増悪します。

治療は規則正しい食生活、洗顔、便通などに注意してもらい、赤ニキビには抗生物質内服や外用を、黒ニキビ、白ニキビには過酸化ベンゾイルやアダパレン外用などを行います。
過酸化ベンゾイル、アダパレンは外用することにより今あるニキビを治療する以外に、ニキビをできにくくしてくれる働きがあります。塗り始めは皮膚がカサカサする、ヒリヒリ感が出る、赤くなるなどの反応が出やすいですが、続けて塗っているとそれらの反応も出なくなります。

【脂漏性皮膚炎】

皮脂分泌の活発な部位(頭皮、顔、脇など)に出現します。乳幼児や思春期以降にできやすいと言われています。乳幼児にできるものは比較的早く軽快することが多いですが、大人にできた場合は、慢性に経過しやすいです。

皮脂の成分が皮膚にいる真菌(カビ)に分解されることにより、分解産物などが皮膚に刺激を加えて症状が発症すると考えられています。

治療にはステロイド外用剤や抗真菌外用を使用しますが、石鹸やシャンプーを用いた適切な洗顔や洗髪を行い清潔に保つことが重要です。

【やけど】

やけどの重症度は障害された皮膚の深さとその範囲によります。深さはⅠ度、Ⅱ度(SDB)、Ⅱ度(DDB)、Ⅲ度の四つに分けられます。

Ⅰ度は通常、数日でよくなり、傷跡もほとんど残りません。Ⅱ度(SDB)はⅠ度よりは深いやけどで、むくみや水ぶくれ(水疱)ができます。通常は2週間程度でほとんど跡が残らず良くなります。Ⅱ度(DDB)はさらに深いところまで炎症が起こっているため治療には3、4週間かかり、瘢痕が残ることが多いです。さらにⅢ度のやけどに移行することもあります。Ⅲ度は皮膚全体もしくはその下の組織まで炎症がおこった状態です。皮膚は白くなるか炭のようになります。神経も障害されるため痛みはほとんど感じなくなりますが皮膚症状としては重症です。改善まで1ヶ月以上かかり、多くは植皮(自分の皮膚を別の場所から移動させる)が必要になります。ただし、深さは受傷直後では正確に判断することは困難であり、経過とともに深さが進行(悪化)することあるので注意が必要です。Ⅱ度(DDB)やⅢ度のやけどは基幹病院への紹介が必要になります。

やけどをしてしまったら、すぐに水道水で20~30分程度流水で冷やしましょう。炎症が進行するのを抑えて、ある程度痛みも和らげてくれます。治療は、やけどの進行を防ぐことと感染症を起こさないことです。進行を防ぐには初期にしっかり冷却し、適切な処置をすることが大切になります。水ぶくれは中の水を抜いたり、感染予防に抗生物質の内服や外用処置が必要になることもあります。早く傷がよくなるように、被覆剤やスプレーをすることもあります。瘢痕になってしまった場合はその治療のため内服やステロイドのテープを貼る、ステロイドの注射をするなどが必要になることもあります。

また湯たんぽや、使い捨てカイロなどは低温やけどを起こすことがあります。こたつやホットカーペットでも起こります。約44℃で6~10時間くらい皮膚の同じところに触れていると起こりやすいと言われています。低温やけどは見た目が軽症でも実は重症(皮膚の深いところまで熱が伝わっている)のためひどいやけど状態になっています。深いところまで炎症が波及しているため改善しても瘢痕が残ります。

【しもやけ】

気温5~10℃の寒冷にさらされることで発生する皮膚の障害です。繰り返し寒冷にさらされることにより細い動脈がうっ血し炎症をきたすために起こります。寒暖差が激しいと起こりやすいため、初冬は初春に発症しやすいと言われています。手足の指先によくみられますが、子供では耳や頬にできることもあります。症状がひどいと皮膚がめくれてしまう(皮膚びらん)方もみえます。

治療は寒冷刺激を避けることが大事です。血行をよくする外用剤(ヘパリン類似物質やビタミンE)を処方しますが、塗るときはマッサージするように塗りましょう。
ビタミンE内服、漢方薬もおすすめです。